【2026年5月版】生成AIスキルを要件に含む求人が6.5%に到達、非エンジニア職種が半分以上を占める
生成AIスキルを求める求人数が増加傾向に
2026年5月は、生成AIやリモート出社などに関するニュースが多く寄せられた月でした。
採用市場の変化が見られる中で、求職者の方や採用担当者の方より、
- 「生成AIスキルは本当に求められているのか」
- 「リモートワークはまだ広がっているのか、それとも出社回帰しているのか」
- 「年収900万円以上を狙いやすい職種はどこなのか」
- 「企業は、いまどんな人材を採用しようとしているのか」
- 「どのような求人を候補者は求めているのか」
と言った疑問が多く寄せられています。
そこで転職AIでは、公開されている求人データを収集し、2026年5月時点の採用市場を分析しました。
今回は、転職AIが独自に収集した101社、8000件以上の求人をデータ分析いたしました。
対象は公開中の求人のみで、データは2026年5月末時点の公開情報をもとにしています。求人データの収集期間は2026年5月1日〜5月30日です。
本記事では、この求人データから見えた採用市場の変化を、以下の観点で整理します。
- 生成AIスキルはどの職種で求められているのか
- リモートワーク求人はどれくらいあるのか
- 年収レンジはどのように分布しているのか
- 高年収を狙いやすい職種はどこか
- 企業が求めるスキルはどう変化しているのか
結論から言うと、2026年の採用市場では、「AIを作れる人」だけでなく「AIを使って成果を出せる人」への需要が広がり始めています。
調査方法
今回の分析対象は、転職AIが収集した公開求人データです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象求人 | 公開中のアクティブ求人 |
| 求人数 | 8,147件 |
| 企業数 | 101社 |
| 職種数 | 108種類 |
| 集計時点 | 2026年5月31日 |
| クロール期間 | 2026年5月1日〜5月30日 |
| 最終確認期間 | 2026年5月30日 |
年収については、求人票に年収レンジが記載されている場合、その下限と上限の中点を代表値として扱っています。たとえば「700万円〜900万円」の求人は、代表年収を800万円として集計しています。
求人データは職種や業界によって偏りがあるため、本記事の数値は日本全体の雇用統計ではありません。
ただし、実際に公開されている求人票をもとにしているため、企業がいま採用市場に出している要件や年収感を読む材料としてお役立てください。
生成AIスキルは、すでに「エンジニアだけの要件」ではない
今回の調査で最も注目したいのが、生成AIスキルの広がりです。
8,147件の求人のうち、生成AI活用を要件に含む求人は530件。
全体の6.5%でした。
この数字だけを見ると、「AI生成スキルが求められるのは、まだ一部の求人に限られている」と感じるかもしれません。
しかし、職種の内訳に大きなトレンド変化が生じています。
生成AI要件のある求人530件を、エンジニア系・非エンジニア系で分けると次のとおりです。
| 区分 | 求人数 | 割合 |
|---|---|---|
| 非エンジニア系職種(PdM・営業・コンサル・事業開発など) | 291 | 55% |
| エンジニア系職種 | 239 | 45% |
| 合計 | 530 | 100% |
つまり、生成AIスキルを求める求人の55%は非エンジニア職です。
これは非常に重要な変化です。
これまで「AIスキル」と聞くと、AIエンジニア、機械学習エンジニア、データサイエンティストのような専門職をイメージする人が多かったかもしれません。
しかし実際の求人票を見ると、生成AI活用はすでにビジネス職にも広がっています。
生成AI要件の多い職種は以下の通りです。
| 職種 | 求人数 |
|---|---|
| AIエンジニア | 95 |
| バックエンドエンジニア | 45 |
| プロダクトマネージャー | 37 |
| プロジェクトマネージャー | 27 |
| ITコンサルタント | 26 |
| 事業開発 | 18 |
| ソリューションエンジニア | 18 |
| フルスタックエンジニア | 16 |
| データエンジニア | 14 |
| 業務企画・オペレーション企画 | 14 |
| エンタープライズ営業 | 13 |
| データサイエンティスト | 13 |
AIエンジニアが最多なのは自然ですが、プロダクトマネージャー、プロジェクトマネージャー、ITコンサルタント、事業開発、エンタープライズ営業なども上位に入っています。
これは、企業が生成AIを単なる研究開発テーマではなく、事業・業務・営業・プロダクト改善の道具として見始めていることを示しています。
今後の転職市場では、以下のような人材の評価が高まる可能性があります。
- 生成AIを使って業務効率化できる人
- AIを活用したプロダクト企画ができる人
- 顧客課題に対してAI活用を提案できる人
- 社内業務にAIを組み込み、成果につなげられる人
- エンジニアとビジネス側の橋渡しができる人
つまり、これから重要になるのは「AIモデルを作れるか」だけではありません。
自分の職種の中で、AIをどう使って成果を出せるか。
これが、2026年以降の採用市場で大きな差になっていくはずです。
「リモート可」は多いが、フルリモートは少ない
次に、働き方について見ていきます。特に、リモート勤務ができるのかどうかは、働き手にとって重要なポイントです。
今回の求人データでは、フルリモート、リモート中心、ハイブリッドを合わせた「リモート可」の求人は82.2%でした。
一見すると、リモートワークはかなり一般化しているように見えます。
ただし、内訳を見ると印象は少し変わります。
| 働き方 | 求人数 | 割合 |
|---|---|---|
| ハイブリッド(リモート 週1〜2日) | 6,130 | 75.2% |
| 記載なし | 1,183 | 14.5% |
| リモート中心(リモート 週3〜5日) | 467 | 5.7% |
| 出社 | 260 | 3.2% |
| フルリモート | 107 | 1.3% |
最も多いのは、ハイブリッド勤務です。 ハイブリッド勤務とは、週あたり1日または2日のリモートが想定されている働き方を指しています。 今回、ハイブリッド勤務は全体の75.2%を占めていました。
一方で、フルリモートはわずか1.3%。
リモート中心の求人を含めても、リモート中心で働ける求人は7.0%にとどまります。
つまり、求人票に「リモート可」と書かれていても、その多くは「必要に応じて出社あり」「週数回出社」「チームや職種によって出社頻度が異なる」といったハイブリッド勤務です。
転職活動では、「リモート可」という言葉だけで判断しない方がよいでしょう。
確認すべきポイントは、たとえば以下です。
- 週何回出社が必要か
- 入社直後だけ出社が必要なのか
- チーム単位で出社ルールが違うのか
- 地方在住でも応募できるのか
- フルリモートと書かれている場合、居住地制限はあるのか
- 将来的に出社回帰の可能性があるのか
2026年5月時点では、リモートワークは「なくなった」のではなく、フルリモートからハイブリッドへと現実的な形に落ち着いていると見るのがよさそうです。
年収中央値は約850万円。開示求人の47.2%が900万円以上
次に、年収を見ていきます。
今回の求人データでは、年収が開示されている求人は3,355件。
全体の41.2%でした。
年収開示求人に限定すると、代表年収の中央値は約850万円です。
| 指標 | 年収 |
|---|---|
| 25パーセンタイル | 約664万円 |
| 中央値 | 約851万円 |
| 75パーセンタイル | 約955万円 |
年収帯別に見ると、最も多いのは900万円〜1,000万円のレンジでした。
| 想定年収 | 割合 |
|---|---|
| 〜600万円 | 19.4% |
| 600〜800万円 | 22.0% |
| 800〜900万円 | 11.3% |
| 900〜1,000万円 | 26.8% |
| 1,000〜1,200万円 | 14.7% |
| 1,200万円〜 | 5.7% |
900万円以上の求人は、合計で47.2%です。
この数字だけを見ると、非常に高年収求人が多いように感じます。
ただし、ここには注意点もあります。
今回のデータは、IT、SaaS、コンサルティング、インターネットサービス、フィンテック、電機・電子部品、通信などの求人が多く含まれています。
また、年収を開示している求人に限定した集計であるため、年収非開示求人の実態は別途考える必要があります。
そのため、この結果は「日本全体の求人の半分が900万円以上」という意味ではありません。
むしろ読み取るべきなのは、IT・デジタル系職種においては、900万円前後の求人が十分に現実的な選択肢になっているという点です。
特に、AI、セキュリティ、バックエンド、データ、PdM、プロジェクトマネジメントなどの領域では、年収900万円以上を狙える求人が多く見られます。
高年収を狙いやすい職種は、AI・セキュリティ・PdM・バックエンド・データ系
職種別に見ると、年収中央値が高い職種には明確な傾向があります。
以下は、代表的な職種について、年収中央値とリモート可の割合を整理したものです。
| 職種 | 年収中央値 | リモート可 |
|---|---|---|
| セキュリティエンジニア | 910万円 | 82% |
| AIエンジニア | 900万円 | 89% |
| プロダクトマネージャー | 900万円 | 72% |
| バックエンドエンジニア | 900万円 | 95% |
| データエンジニア | 900万円 | 90% |
| プロジェクトマネージャー | 900万円 | 80% |
| インフラエンジニア | 900万円 | 87% |
| フルスタックエンジニア | 880万円 | 85% |
| 事業開発 | 830万円 | 86% |
| プロダクトデザイナー | 800万円 | 88% |
| エンタープライズ営業 | 750万円 | 83% |
| カスタマーサクセス | 750万円 | 86% |
| デジタルマーケター | 660万円 | 91% |
| カスタマーサポート | 560万円 | 14% |
職種別のデータでは、セキュリティエンジニアが910万円、AIエンジニア、プロダクトマネージャー、バックエンドエンジニア、データエンジニア、プロジェクトマネージャー、インフラエンジニアが900万円前後となっています。
ここから見えるのは、単に「エンジニアが高い」という話ではありません。
高年収職種には、大きく4つのパターンがあります。
1. 技術的な専門性が高い職種
AIエンジニア、セキュリティエンジニア、データエンジニア、インフラエンジニアなどは、専門性が高く、採用難易度も高い職種です。
特にセキュリティやAIは、企業にとって重要度が高まる一方で、経験者が限られています。
そのため、年収中央値も高くなりやすい領域です。
2. 事業成果に直結する開発職
バックエンドエンジニアやフルスタックエンジニアは、プロダクト開発の中核を担う職種です。
SaaS、フィンテック、インターネットサービスなどでは、プロダクトの改善がそのまま売上や顧客体験に直結します。
そのため、事業成長を支える開発職は、引き続き高い評価を受けています。
3. 技術と事業をつなぐ職種
プロダクトマネージャー、プロジェクトマネージャー、ITコンサルタント、ソリューションエンジニアなどは、技術と事業の間に立つ職種です。
AIやSaaSのような複雑なプロダクトが増えるほど、単に作るだけでなく、顧客課題を理解し、要件を整理し、事業成果につなげる人材の価値が上がります。
4. 売上に近いビジネス職
事業開発、エンタープライズ営業、カスタマーサクセスも、比較的高い年収水準にあります。
特にBtoB SaaSやITサービスでは、売って終わりではなく、導入支援、活用定着、アップセルまで含めて顧客価値を作ることが重要です。
そのため、営業・CS・事業開発の中でも、プロダクト理解や業界理解を持つ人材は評価されやすくなっています。
求められるスキルは「開発」「クラウド」「AI」「事業理解」に広がっている
スキル需要を見ると、上位にはWebアプリケーション開発、プロジェクトマネジメント、AWS、SaaS B2B業界知識、SIer・システムインテグレーション知識、ソリューション営業、Pythonなどが並びました。
| スキル | 求人数 |
|---|---|
| Webアプリケーション開発経験 | 1,268 |
| プロジェクトマネジメント経験 | 976 |
| AWS | 872 |
| SaaS B2B業界知識 | 766 |
| SIer・システムインテグレーション知識 | 692 |
| ソリューション営業経験 | 622 |
| Python | 606 |
| 法人営業経験 | 601 |
| 経営企画・事業戦略経験 | 561 |
| 生成AI活用 | 530 |
| チームリード経験 | 512 |
| ネットワーク設計・構築経験 | 427 |
| Java | 422 |
| ステークホルダーマネジメント | 407 |
| データ分析経験 | 391 |
このランキングからは、現在の採用市場で評価されやすいスキルが見えてきます。
まず、Webアプリケーション開発、AWS、Python、Java、SQL、GCPといった技術スキルは引き続き強い需要があります。
一方で、プロジェクトマネジメント、チームリード、ステークホルダーマネジメント、要件定義、事業戦略、法人営業、ソリューション営業といった、ビジネス・マネジメント寄りのスキルも上位に入っています。
これは、企業が単なる作業者ではなく、事業や顧客課題を理解しながら成果を出せる人材を求めていることを示しています。
特に生成AI活用が上位に入っている点は象徴的です。
生成AIは、単独の専門スキルというより、開発、営業、企画、マーケティング、カスタマーサクセス、コンサルティングなど、さまざまな職種に組み込まれる横断スキルになりつつあります。
2026年に市場価値を高めるには
今回のデータから、転職希望者が意識すべきポイントは大きく3つあります。
1. 生成AIを「使えるスキル」として言語化する
生成AIスキルは、エンジニアだけのものではありません。
営業なら、提案資料作成、顧客リサーチ、商談準備。
マーケターなら、広告文案、SEO記事構成、データ分析。
PdMなら、ユーザー調査、要件整理、仕様作成。
エンジニアなら、設計補助、コードレビュー、テスト生成、ドキュメント作成。
このように、自分の職種の中で生成AIをどう活用しているかを言語化できると、職務経歴書や面接で強みになります。
単に「ChatGPTを使ったことがある」「AIのニュースを見たことがある」だけだと、アピールポイントとしては物足りなくなってしまっています。
重要なのは、以下のように成果とセットで伝えることです。
- 生成AIを使って業務時間を削減した
- AIを活用して提案品質を上げた
- 社内のAI活用ルールを整備した
- AIを使ったプロダクト改善を行った
- 顧客向けにAI活用提案を行った
業務ルールを守りながら、実際の実務の中でAIを活用し、成果を出した経験を積むと、生成AIスキルとしてアピールしやすくなるでしょう。
2. 高年収を狙うなら「専門性 × 事業貢献」を作る
年収900万円以上を狙うには、単にスキルを並べるだけでは不十分です。
今回のデータを見ると、高年収職種には「専門性」と「事業貢献」の両方が求められています。
たとえば、AIエンジニアならモデル開発だけでなく、事業課題への適用力。
バックエンドエンジニアなら設計力だけでなく、プロダクト成長への理解。
PdMなら企画力だけでなく、技術・データ・顧客理解。
営業なら商談力だけでなく、業界理解やプロダクト理解。
これからの市場価値は、単一スキルではなく、複数の強みの掛け合わせで決まっていきます。
3. 「リモート可」の中身を必ず確認する
リモート可求人は多いものの、フルリモート求人は少数です。
そのため、転職活動では以下を必ず確認した方がよいでしょう。
- 出社頻度
- チームごとの運用
- 居住地制限
- 入社後オンボーディング期間の出社有無
- 将来的な勤務ルール変更の可能性
- 評価や昇進におけるリモート勤務者の不利がないか
「リモート可」と書かれているからといって、自分の希望する働き方と一致するとは限りません。
求人票の表記だけでなく、面談や面接で具体的に確認することが重要です。
採用担当者の方へ。AI時代の採用では、求人票の解像度の高さが求められています。
今回、Web上の求人票をデータ分析・AI解析する中で、現在の採用市場の課題も見えてきました。
生成AI活用、リモートワーク、年収レンジ、求めるスキルが複雑化する中で、求人票の書き方はますます重要になっています。
求人票で貴社の魅力や働き方を具体的に伝え、イメージを持ってもらうことは、採用戦略を強化していく上で非常に重要です。
求職者の方に伝わりやすい表現、細かな点まで構造化して表記することで、信頼性・透明性がアップし、応募率を高められると考えられます。
逆に、以下のような求人票は候補者に伝わりにくくなります。
- 「AI活用経験歓迎」とだけ書かれている
- リモート可だが出社頻度が不明
- 年収レンジが広すぎて実態がわからない
- 必須要件と歓迎要件が整理されていない
- どんな成果を期待しているのかが曖昧
- 入社後にどんなミッションを任せるのかが見えない
生成AI時代には、候補者もAIを使って求人を比較し、企業研究を行うようになります。
そのため、求人票は単なる募集要項ではなく、候補者に選ばれるための重要な情報になります。
求人票を出す際には、求めるスキルを羅列するだけでなく、以下を明確にする必要があります。
- なぜそのポジションを募集しているのか
- 入社後に解決してほしい課題は何か
- どのスキルが本当に必須なのか
- AI活用をどの業務で期待しているのか
- 働き方の実態はどうなっているのか
- どのようなキャリアパスがあるのか
求人票の解像度が高い企業ほど、候補者に選ばれやすくなっていくはずです。
2026年の採用市場は「AIを使って成果を出せる人材」に向かっている
今回のデータ分析で見えたポイントは、以下の通りです。
- 生成AI活用を要件に含む求人は530件、全体の6.5%
- 生成AI要件求人の55%は非エンジニア職
- リモート可求人は82.2%だが、フルリモートは1.3%
- 年収開示求人の中央値は約850万円
- 年収開示求人の47.2%が900万円以上
- 高年収職種はAI、セキュリティ、PdM、バックエンド、データ、PM系に多い
- 求められるスキルは、開発力だけでなく、クラウド、AI活用、事業理解、マネジメントへ広がっている
2026年の転職市場では、生成AIが一部の専門職だけでなく、幅広い職種に広がり始めています。
これから市場価値を高めるうえで重要なのは、単に「AIに詳しい」ことではありません。
自分の仕事の中でAIをどう使い、どんな成果につなげられるか。
この問いに答えられる人材が、今後の採用市場でより評価されていくでしょう。
転職AIでは、今後も公開求人データを継続的に分析し、採用市場や転職市場の変化をわかりやすく発信していきます。